この記事の結論

営業顧問の報酬について、業界団体や公的機関が公表している相場統計・価格表は確認できません(2026年9月時点)。金額の目安を探す前に、まず①月額固定・成果報酬・時間単価・複合型という報酬の型のどれが依頼内容に合うかを整理し、②成果報酬にする場合は成果の定義・計測方法・支払時期・最低保証の有無を契約前に固定し、③個人に依頼するならフリーランス法、法人に依頼するなら下請法(取適法)や独占禁止法の優越的地位の濫用に触れる契約でないかを確認することが重要です。本記事は金額の相場ではなく、公正取引委員会・厚生労働省・国税庁の公式情報にもとづいた契約設計の考え方を解説します。

結論:営業顧問の費用相場を調べる前に確認すべきこと

営業顧問(企業の営業部門を外部から支援する顧問)の報酬には、業界団体や公的機関が公表している相場統計・価格表は確認できません(2026年9月時点で公式サイト上に確認できる範囲)。「営業顧問 費用 相場」で検索しても、根拠のある一つの金額にはたどり着けないのが実情です。

金額を探す前に、次の3点を先に整理しておくと、契約後のトラブルを避けやすくなります。

先に決めるべき3点

  • 報酬の(月額固定・成果報酬・時間単価・複合型)のうち、依頼したい業務に合うのはどれか
  • 成果報酬にするなら、「成果」をどの時点でどう定義し、誰が計測するか
  • 契約がフリーランス法や下請法(取適法)など、業務委託契約に関する法律の対象になるか

本記事では金額の相場ではなく、上記を判断するための考え方と、契約時に確認すべき法務・税務の一次情報を紹介します。「結局いくらなのか」を先に知りたい方は、公表統計がない以上どうやって金額を決めればよいかを整理したよくある質問もあわせてご覧ください。

営業顧問とは

営業顧問とは、企業の営業戦略の立案、人脈を生かした商談機会の創出、営業担当者への助言などを、雇用契約ではなく業務委託契約(顧問契約)に基づいて行う個人または法人を指します。正社員の営業職とは異なり、雇用契約に基づく指揮命令下には置かれず、業務の進め方は受託者側の裁量に委ねられるのが原則です。

法律上「顧問契約」という独立した契約類型があるわけではなく、実務上は民法上の準委任契約または請負契約の性質を持つ業務委託契約として結ばれます。呼び方よりも、契約書に業務範囲・報酬・解除条件などが明記されているかどうかが重要です。役割や活用シーンの詳細は営業顧問の活用法(販路拡大・紹介営業の仕組み作り)で解説しています。

似た言葉に「営業コンサルタント」「営業代行」がありますが、いずれも法律で定義された呼称ではなく、実際の違いは契約書の中身(業務範囲・関与の深さ・指揮命令の有無・契約期間)で決まります。名称だけで判断せず、契約条件を個別に確認することが重要です。会社組織における「顧問」という立場全般の位置づけ(社外取締役やコンサルタントとの違い)は顧問の立ち位置・役割とはで整理しています。

営業顧問の報酬、4つの「型」

営業顧問の報酬は、何に対して支払うかによって大きく4つの型に分かれます。金額ではなく、まずどの型が依頼内容に合うかを検討してください。

何に対して支払うか向いている業務契約設計で気をつける点
月額固定型稼働時間・関与そのもの継続的な戦略助言、月次ミーティングなど成果を切り分けにくい業務稼働時間・対応範囲(チャット対応の有無等)を具体的に定義しないと「使われない稼働」が発生しやすい
成果報酬型商談化・受注など定義した成果受注単価が明確でゴールを測定しやすい新規開拓案件「成果」の定義があいまいだと支払いを巡るトラブルになりやすい
時間単価型実際に稼働した時間スポットの商談同行・資料レビューなど、稼働量が変動する業務稼働時間の記録方法・上限を契約書で明確にする
複合型(固定+成果)基本稼働への固定報酬+成果への追加報酬中長期の関係を前提に、双方のリスクを分散したい場合固定部分と成果部分の按分・KPIの合意形成に時間がかかる

どの型を選ぶかは、依頼する業務を「時間で買うのか」「成果で買うのか」で考えると整理しやすくなります。例えば、月次の経営会議に同席して戦略に助言してもらうだけの関与であれば、成果を切り分けようがないため月額固定型が自然です。一方、特定の業界向けに新規リストへアプローチして商談を作ってもらうような業務であれば、成果報酬型や複合型の方が双方の期待値がそろいやすくなります。どちらか一方に決めきれない場合は、初回契約を短期間の複合型で試し、実際の稼働実態を見てから型を見直すという進め方も現実的です。

顧問報酬全般の考え方は顧問報酬の相場(役職・企業規模別)顧問料金の決め方・契約形態でも取り上げています。

成果報酬型で契約前に決めておくべき5つのこと

成果報酬で最も多いトラブル

「商談につないだ」段階を成果とみなすか、「受注」や「入金完了」まで進んだ段階を成果とみなすかを契約書で定義していないために、支払いをめぐって当事者間の認識がずれるケースです。

決めておくこと内容
成果の定義商談化・受注・入金完了のどの時点を成果とするか
計測方法誰が、どの記録(CRM等)をもとに成果を確認するか
支払時期成果確定からいつまでに支払うか
最低保証の有無成果が出なかった場合に固定の最低報酬を支払うか
契約期間・競業避止契約期間、同業他社への顧問兼任を制限するかどうかの範囲

特に「成果の定義」は、営業顧問側と発注企業側で認識がずれやすいポイントです。営業顧問にとっては「商談の機会をつなぐところまでが自分の役割」という認識でも、発注企業側は「受注、できれば入金完了まで見届けてほしい」と考えているケースは珍しくありません。どちらが正しいという話ではなく、契約の時点でどちらの定義を採用するかをすり合わせ、書面に残しておくことが唯一の予防策です。最低保証についても、「成果が出なければ報酬ゼロ」という条件は営業顧問側のリスクが大きくなりすぎ、優秀な人材ほど契約を避ける傾向があるため、稼働に対する最低限の固定報酬を組み合わせる複合型が選ばれやすい理由の一つになっています。

業務委託契約の法的な注意点

営業顧問は「顧問」という呼び方をしていても、契約の実態は業務委託契約です。相手が個人か法人か、契約期間がどのくらいかによって適用される法律が変わるため、契約書を作る前に自社の契約がどの制度の対象になり得るかを確認しておく必要があります。以下は公正取引委員会・厚生労働省の公表情報にもとづく一般的な整理であり、個別の契約が実際にどの制度の対象になるかは、契約内容によって異なります。

個人の営業顧問と契約する場合:フリーランス法

営業顧問を個人(一人で活動しているフリーランス)に依頼する場合、発注企業側にはいくつかの法律上の義務が生じます。特に、従業員を使わずに業務を受託する個人事業主等(特定受託事業者)に該当する場合、2024年に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)の対象になります。「顧問契約だから自由に条件を決められる」わけではなく、この法律が適用される範囲では、口頭合意だけで契約を進めることそのものが違反になり得る点に注意が必要です。公正取引委員会の解説によると、発注事業者には主に次の義務・禁止事項が課されます。

区分主な内容
取引条件の明示義務業務委託をした場合、直ちに書面または電磁的方法で報酬額・支払期日等を明示する(口頭のみは不可)
報酬の支払期日成果物やサービス提供を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払う
禁止行為(1か月以上の業務委託の場合)受領拒否・報酬の減額・返品・買いたたき・購入利用の強制・不当な経済上の利益提供要請・不当な給付内容の変更ややり直しの7つ
中途解除等の予告義務(6か月以上の業務委託の場合)契約を解除・不更新とする場合、原則30日前までに予告する

詳細は公正取引委員会「フリーランス法」特設サイトで確認できます。

法人・事業者に依頼する場合:下請法(取適法)と優越的地位の濫用

営業顧問が法人(または資本金基準を満たす事業者)である場合は、下請代金支払遅延等防止法の系譜にあたる取適法(中小受託取引適正化法)の適用対象になり得ます。特定受託事業者に該当しない場合でも、発注側が取引上優位な立場を利用して不当に低い報酬を押し付けたり、支払いを遅延させたりする行為は、独占禁止法が定める優越的地位の濫用として問題になり得ます。

参照:公正取引委員会「取適法とは」公正取引委員会「独占禁止法とは」

実務上は、相手がフリーランス法上の特定受託事業者に該当するか、それとも法人として下請法(取適法)や独占禁止法の枠組みで捉えるべきかを最初に確認し、それぞれの制度が求める書面明示・支払期日・禁止行為の内容を踏まえて契約書を作ることになります。どちらの制度が適用されるか判断に迷う場合は、契約前に顧問弁護士や公正取引委員会の相談窓口に確認することをおすすめします。自社で判断しきれない場合に自己流で進めてしまうと、後から契約条件の見直しを求められたり、行政指導の対象になったりするリスクがあります。

営業顧問の契約で特に注意したい条項

一般的な業務委託契約の条項(業務範囲・報酬・解除条件など)に加えて、営業顧問との契約では次の2点を具体的に定めておくことをおすすめします。契約書の必須条項全般は顧問契約書の書き方と注意点で解説しているため、ここでは営業顧問特有の論点に絞って整理します。

  • 顧客情報・商談情報の秘密保持:営業顧問は商談先の企業名や取引条件など機密性の高い情報に触れる機会が多いため、秘密保持義務の範囲(契約終了後も継続するか、何年間かなど)を具体的に定めます。
  • 紹介した人脈・取引先の帰属:営業顧問が紹介した取引先との関係が、契約終了後も自社の資産として残るのか、それとも顧問個人の人脈として扱われるのかを、あらかじめ整理しておくことが望ましいです。

「偽装請負」にならない体制づくり

業務委託契約を結んでいても、発注側が営業顧問に対して勤務時間や作業の進め方を細かく指揮命令し、実態として労働者派遣と変わらない状態になっている場合、偽装請負とみなされるリスクがあります。営業顧問の場合、「週◯回は必ずオフィスに来て、朝礼から参加してほしい」「営業担当者と同じように日報を毎日提出させ、その内容にもとづいて細かく指示を出す」といった運用が続くと、契約書上は業務委託でも実態は雇用に近いと判断されるおそれがあります。契約書の文言だけでなく、実際の運用が伴っているかどうかが判断のポイントです。

確認ポイント望ましい状態
業務の遂行方法顧問側の裁量に委ねられている(発注側が逐一指示していない)
勤務時間・場所の管理出退勤時間を発注側が管理していない
指揮命令系統発注側の社員と同じ指揮命令系統に組み込まれていない
契約書上の役割分担業務範囲・成果物・進め方の裁量が契約書に明記されている

厚生労働省は「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)を公表しており、請負を適正に行うために(厚生労働省)で関連ガイドラインを確認できます。偽装請負と判断されると、労働局からの是正指導の対象になり得るほか、実態が雇用と判断されれば、社会保険料の負担や労働関連法令の適用など、想定していなかった義務が発生する可能性があります。契約書の文言だけでなく、日々の運用(指示の出し方・報告の求め方)も含めて体制を確認しておくことが重要です。

源泉徴収・消費税の扱い:国税庁の基準で確認する

営業顧問への報酬を支払う際、税務上確認すべき点は主に2つあります。一つは源泉徴収の要否、もう一つは消費税の扱いです。消費税については、顧問料のような役務提供の対価は軽減税率(8パーセント)の対象である飲食料品等に該当しないため、標準税率が適用されます。標準税率は消費税・地方消費税を合わせて10パーセントです(詳細は国税庁 No.6303「消費税および地方消費税の税率」)。一方、源泉徴収が必要かどうかは、一律にではなく報酬の性質によって決まります。国税庁が源泉徴収の対象として例示している主な区分は次のとおりです。

区分源泉徴収の対象になりやすいもの
原稿料・講演料等執筆料、講演・セミナー登壇料など
特定の資格を持つ人への報酬弁護士・公認会計士・税理士・司法書士等への報酬
モデル・外交員等への報酬外交員報酬、専属モデルへの報酬など
上記に明確に該当しない一般的な業務委託報酬国税庁の例示一覧に明示されていない場合がある(個別確認が必要)

営業顧問報酬の扱い

特定の国家資格を持たない一般的な営業顧問への継続的な報酬は、国税庁が例示する上記区分に明確には含まれていません。源泉徴収の要否は契約内容・報酬の性質によって判断が分かれるため、契約前に国税庁 No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」を確認するか、顧問税理士に相談することをおすすめします。なお、支払先が法人(顧問業を営む会社)である場合は、一般的に源泉徴収は不要とされています。個人か法人かで扱いが変わる点も、契約前に確認しておくべきポイントです。また、営業顧問が適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)として登録しているかどうかによって、発注企業側が消費税の仕入税額控除を受けられるかどうかも変わります。契約前に請求書の様式(登録番号の記載の有無)を確認しておくと、経理処理での手戻りを防げます。

営業顧問と営業代行・正社員採用の違い

「営業を強化したい」という課題に対しては、営業顧問以外にも営業代行会社への委託や正社員の中途採用という選択肢があります。金額で比較すると条件がそろわず判断を誤りやすいため、まずは契約構造(誰の指揮命令下で、どれだけ柔軟に、どのくらいの期間動いてもらうか)で整理することをおすすめします。

手段契約形態指揮命令業務の柔軟性継続性の前提
営業顧問業務委託(顧問契約)受託者側の裁量(指揮命令下に置かない)業務範囲・稼働量を都度調整しやすい短期のスポットから中長期まで
営業代行会社業務委託(会社対会社)発注側は成果物・KPIを指定し、遂行方法は代行会社に委ねる契約プランの範囲内で調整プロジェクト単位が多い
正社員(中途採用)雇用契約使用者の指揮命令下就業規則の範囲内長期雇用が前提
業務委託(フリーランス営業)業務委託受託者側の裁量個人のリソース次第案件単位が多い

営業代行会社は組織として複数人が動く分、契約プラン自体は決まっていることが多く、個社ごとのカスタマイズ余地は営業顧問より小さくなる傾向があります。正社員採用は長期的な戦力化を前提にできる一方、立ち上げに時間がかかり、期待した成果が出なくても契約解除のように柔軟に関係を見直すことはできません。「今すぐ・柔軟に・特定の課題だけ」を外部の知見で解決したい場合に営業顧問が選ばれやすいのは、この契約構造の違いによるところが大きいといえます。選び方の詳細は失敗しない顧問の選び方でも解説しています。

依頼前の自己診断

営業顧問を検討する前に、そもそも自社の課題が「外部の営業ノウハウ・人脈で解決できる課題」なのかを切り分けることが重要です。以下のチェック項目を参考に、自社の状況を確認してください。

営業顧問の活用に向いている場面

  • 新規事業・新製品の立ち上げで、社内に営業のノウハウや人脈が不足している
  • 特定業界・役職層へのパイプを持つ人材が社内にいない
  • 営業組織の改革を、社外の客観的な視点を借りて進めたい
  • 受注単価が高く、成果報酬を支払っても採算が合う利益率がある

営業顧問より先に解決すべき課題がある場合

  • 商品・サービス自体の競争力が整っていない(顧問が売る商品がない)
  • 営業プロセスや顧客情報の管理が整備されておらず、引き継ぎができない
  • 「人脈さえあれば売れる」という根拠のない期待だけで導入を検討している
  • 社内に顧問とのやり取り・進捗管理を担う担当者がいない

良い営業顧問の選び方と依頼の流れ

報酬の型を決めた後は、顧問候補者の実績・稼働条件を具体的に確認します。詳しいチェックリストは失敗しない顧問の選び方、導入の社内手続きは顧問制度の導入手順で解説しています。

確認項目確認する内容
実績自社と同業界・同ターゲットへの具体的な成果実績があるか
人脈の裏付け「コネがある」という主張を、具体的な会社名・関係性で確認できるか
兼任状況他社の顧問を何社兼任しており、自社に割ける実質的な稼働時間はどの程度か
コミュニケーション報告頻度・連絡手段(月次ミーティングのみか、日常のチャット対応も含むか)
KPIの明文化評価基準と評価タイミングを契約書に定量的に記載できるか

契約書に盛り込むべき条項の詳細は顧問契約書の書き方と注意点にまとめています。導入までの社内手続き(稟議・契約締結の流れ)を含めた全体像は顧問制度の導入手順を参考にしてください。

「顧問」という呼び方をめぐる混同に注意

「顧問」という言葉は、会社法上の役職ではなく、企業が任意に使っている呼称です。そのため、経営顧問・技術顧問・営業顧問といった呼び方の違いも、法律で線引きされているわけではなく、企業ごとの運用によって意味合いが変わります。特に、社外取締役や監査役のような会社法上の機関と「顧問」を混同すると、権限や責任の範囲を誤解したまま契約してしまうおそれがあります。両者の違いは顧問の立ち位置・役割とは(社外取締役・執行役員・コンサルとの違い)で整理しているので、営業顧問を検討する際にあわせて確認しておくと、契約書で定めるべき権限の範囲を判断しやすくなります。より広い「経営顧問」全般の役割については経営顧問とはでも解説しています。

よくある失敗パターンと防止策

失敗パターン防止策
人脈への期待だけで契約し、実際には紹介が発生しなかった契約前に「最初の1か月でどの企業にアプローチするか」を具体的に提示してもらう
業務範囲が曖昧なまま契約し、稼働実態が見えなかった業務範囲・稼働時間を契約書に明記し、月次で稼働実績の報告を受ける
成果の定義が曖昧で、支払いをめぐって対立した「成果」の定義(商談化・受注・入金完了)を契約書に明記する
長期契約を結び、成果が出ないまま解約できなかった初回は短期のお試し契約とし、更新条件を明確にしておく
実質的に指揮命令をしてしまい、偽装請負のリスクが生じた業務の進め方は受託者の裁量に委ねる体制を契約時に確認する

これらの失敗パターンに共通するのは、契約前の合意が口頭や曖昧な理解にとどまっていた点です。営業顧問は継続的な関係になりやすいからこそ、最初の契約書をどれだけ具体的に書けるかが、後々のコミュニケーションコストを左右します。

相場が分からないとき、具体的にどう進めればよいか

公表された相場統計がない以上、「平均額はいくらか」を調べる代わりに、次のような手順で比較検討することをおすすめします。

手順具体的にすること
1. 依頼内容を具体化する「営業を強化したい」ではなく、「新規開拓の商談を月◯件創出してほしい」など、依頼したい業務を具体的に書き出す
2. 複数の候補に同じ条件で打診する知人紹介・マッチングサービス・直接スカウトなど複数の経路で、同じ依頼内容を伝えて見積もりを依頼する
3. 報酬の型と条件を横並びで比較する金額だけでなく、報酬の型・稼働時間・成果の定義・契約期間・競業避止の範囲を候補者ごとに並べて比較する
4. 最有力候補と成果の定義をすり合わせる契約前に、成果報酬を採用する場合の成果の定義・計測方法・支払時期について、書面で認識を合わせる

この進め方であれば、「相場より高いか安いか」ではなく「自社の依頼内容と釣り合っているか」という、より実務的な基準で判断できます。候補者の探し方や紹介サービスの使い方は失敗しない顧問の選び方でも扱っています。

まとめ:営業顧問の費用は「型」と「条件」で決まる

営業顧問の費用に公表された相場はありません。重要なのは、(1)報酬の型(月額固定・成果報酬・時間単価・複合型)のうち業務に合うものを選ぶこと、(2)成果報酬なら成果の定義・計測方法・支払時期・最低保証・契約期間を先に決めること、(3)フリーランス法や下請法(取適法)など業務委託契約に関わる法律の対象になるかを確認すること、(4)源泉徴収・消費税の扱いを報酬の性質から個別に判断すること、の4点です。金額の相場を追いかけるより、この4点を契約書に落とし込むことの方が、実際のトラブル防止には効果があります。

顧問制度.comでは、営業顧問の候補者ご紹介と契約条件の整理についてもご相談をお受けしています。まずは依頼したい業務内容と報酬の型のご希望をお問い合わせフォームからお聞かせください。

本記事は2026年9月時点で確認できる公的機関の公表情報にもとづき作成しています。法令・制度は改正される場合があるため、契約前に必ず各公式サイトまたは弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。個別の税務・法務判断を保証するものではありません。

出典・参考情報

  • 公正取引委員会「フリーランス法」特設サイト(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律):jftc.go.jp
  • 公正取引委員会「取適法とは」(下請代金支払遅延等防止法の系譜):jftc.go.jp
  • 公正取引委員会「独占禁止法とは」:jftc.go.jp
  • 厚生労働省「請負を適正に行うために」(37号告示関連資料):mhlw.go.jp
  • 国税庁 No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」:nta.go.jp

上記はすべて2026年9月16日に確認しました。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

本記事の監修

齊木祐介(株式会社ASI 代表取締役)— 顧問制度・経営支援を含む複数事業を統括し、実務で得た知見をもとに本サイトの情報を監修しています(運営:株式会社ASI)。